
企業が今取り組むべきGX(グリーントランスフォーメーション)とは?
脱炭素経営とセットで覚えておきたいのが、GX(グリーントランスフォーメーション)です。経済活動において再生可能エネルギーを活用し、環境問題に配慮しながら持続可能な経済成長へとつなげることを意味します。この記事を読んでしっかり覚えましょう!
- GX(グリーントランスフォーメーション)とは?
- 2025年は低炭素社会へシフトする過渡期
- 脱炭素、GXはすべての企業が避けて通れない課題
- 企業がGXに取り組むメリット
- 1.コスト削減の実現
- 2.企業イメージの向上
- 3.新しいビジネスチャンスの創出
- 4.持続可能な成長の実現
- 5.人材獲得で有利に
- 国のGX実現に向けた取り組み
- GX推進で何が今、行われているかを知ろう
- GXが企業の競争力を高めるってホント?
- 私たちがGXリーグに参加する意義とは?
- GXリーグはどんなことをするの?
- GXリーグに参加するメリットって?
- GXについて何から始めればいいか迷ったら
- まとめ
GX(グリーントランスフォーメーション)とは?
最近よく目にするグリーントランスフォーメーション(GX)。グリーン(緑)=CO2を減らすこと、トランスフォーメーションは変革という意味があり、直訳すると「緑の変革」となります。
わが国では2030年までに温室効果ガスの排出量を46%削減することと、2050年までにCO2をはじめとする温室効果ガスの排出量を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル」や、脱炭素社会の実現を目標としています。
どちらの目標も今の経済構造のまま取り組んでいては実現不可能なばかりか、経済活動が停滞し、明治維新より前の暮らしに逆戻りしなければなりません。
2025年は低炭素社会へシフトする過渡期
GXは今の経済成長を止めることなく、石油等の化石燃料に代わり、再生可能エネルギーを活用しながら、CO2削減やカーボンニュートラルといった目標を達成するための国を挙げたチャレンジといえます。
また2025年は、産業革命以来続いた化石燃料の恩恵による「高炭素高成長」から、化石燃料を手放して再生可能エネルギーなどを活用した「低炭素高成長」を遂げるための過渡期といえるでしょう。
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脱炭素、GXはすべての企業が避けて通れない課題
「うちの会社ではまだそんな余裕ないし、取り組めるのは大手企業だけでしょ」と思うかもしれません。確かに今まだ脱炭素やGXの取り組みは、大手企業を中心に進められている印象があります。しかしいよいよ2030年までに5年を切った今年、脱炭素経営やGXは、日本中のどんな企業でも「避けて通れない課題」となってきているのです。
企業がGXに取り組むメリット
企業がGXに取り組む具体的なメリットとしては、下記の5つが挙げられます。
1.コスト削減の実現
2.企業イメージの向上
3.新しいビジネスチャンスの創出
4.持続可能な成長の実現
5.人材獲得で有利に
コスト削減は主に光熱費が挙げられます。再生可能エネルギーや省エネ技術を導入することで非化石エネルギーの比率が増え、カーボンニュートラルにも貢献できるでしょう。
こうしたクリーンエネルギーを採用したり、製品の一部にサステナブルな資材を使うなど「脱炭素化」に向けた取り組みを自社のウェブサイトなどでアピールできます。それにより企業イメージが上がり、BtoBで新しいビジネスチャンスが生まれたり、人材の獲得で有利に働くといわれています。
国のGX実現に向けた取り組み
国もGXの実現に向けて様々な話し合いを行っています。内閣の補助機関である内閣官房が2022年度から年に数回開いている「GX実行会議」では、できるかぎり事業環境の予見性を高め、わが国の成長に不可欠な付加価値の高い産業の維持、強化につながる国内投資を後押しするために、より長期的な視点に立った「GX2040ビジョン」を国家戦略として掲げています。
GX推進で何が今、行われているかを知ろう
2024年12月に行われた会議資料では、「AIの活用は、2030年までに世界全体の温室効果ガス排出量を約1.5~4.0%削減し、世界全体のGDPを3.1~4.4%押し上げる可能性」があるとし、AIによる成長とCO2削減のポテンシャルについて表しています。
さらには「DX(デジタルトランスフォーメーション)は新たな成長をもたらし、人手不足に直面する我が国の社会課題解決にもつながる可能性」があるとして、将来の生産年齢人口の見通しや、生成AIによって引き出される可能性のある日本の生産額をグラフで表し「見える化」しています。


出典:内閣官房GX実行推進室2024年12月26日資料1「GX2040ビジョン(案)の概要」5・6ページを図を中心に抜粋
こうしたDXを実現するための国の掲げるビジョンは、これから始まる自社のGX戦略をイメージするためにも必要かつ信頼性の高い情報といえます。ここでは割愛しますが、かなり興味深い資料や取り組みの提案があるので、脱炭素経営やGX担当者はぜひチェックしておくことをおすすめします。
GXが企業の競争力を高めるってホント?
GX(グリーントランスフォーメーション)は、企業の競争力を高めるために重要な取り組みといえます。例えば環境に配慮した商品やサービスを提供することで、他社との差別化を図れたり、サステナブルな原材料の調達や環境に配慮した製造プロセスの導入により、サプライチェーン全体を強化でき、取引先企業からの信頼を得られるでしょう。
私たちがGXリーグに参加する意義とは?
GXリーグとは、カーボンニュートラルへの移行によるグリーントランスフォーメーション(GX)の実現を目的とした企業や官公庁、学術機関による連携プラットフォームです。企業が脱炭素化に貢献し、経済成長を達成することを目指しています。2023年度の段階で568の参画があり、さらに24年度から179増えて、合計747の企業や団体が参加しています。
GXリーグはどんなことをするの?
GXリーグの目指す活動としては、
●自主的な排出量取引の目標を掲げ、GX投資や社会への開示を実践
●市場を創造するためのルール形成を官民で行い、実証、発信を目指す
●2050年目標実現後の社会をビジネスの機会とし、業種を超えた対話を行う
●目標実現のための連携や共創、自由な交流の場としてGXスタジオを稼働
などが挙げられます。参加するそれぞれの企業がリーダーシップを持ちながら、参加を通じてカーボンニュートラルに向けた社会構造変革のための価値を提供することを目指しています。

参考:GXリーグ活動概要 – ~What is the GX League
GXリーグに参加するメリットって?
GXリーグに参画することによって以下のメリットが挙げられます。
●自主的な排出取引で目標を達成できる
●脱炭素化や持続可能な社会の実現に貢献できる
●カーボンニュートラルの実現に向けた情報を得られる
●公的機関からの補助金などの支援を受けられる
●他社との意見交換や情報交換によってアイデアを得られる
●新しい市場機会を獲得できる
●国際競争力を高めることができる
異業種、同業種含めて、温室効果ガスを削減して地球温暖化防止に貢献するという「同じ目標」に向かって取り組むことで、脱炭素化につながります。また脱炭素化に必要な条件を満たすことで競争力が高まり、新たなビジネスが広がる可能性も示唆されています。
GXについて何から始めればいいか迷ったら
ここまでGXとGXリーグについてお伝えしました。脱炭素化だ、GXだといわれても、何から始めていいか、正直戸惑うことも多いと思います。そこでまずは自社の工場や事業所でどのくらい温室効果ガス(GHG)が排出されているか知ることから始めてみましょう。
エネブリッジでは2025年2月から、温室効果ガスの排出量の算定・可視化と削減支援までをワンストップで提案するサービスをスタートしました。法人のお客様が求める高度な環境対策を、カーボンニュートラルや脱炭素経営に詳しい専門メンバーが丁寧にお応えします。もちろん相談料は無料です。
まとめ
ここまで脱炭素経営とセットで覚えておきたいGX(グリーントランスフォーメーション)についてお伝えしました。地球温暖化対策計画やカーボンニュートラルなどについておさらいをしたい方は、このサイトのほかの記事もぜひ読んでみてください。企業の脱炭素経営は待ったなし! きっと解決策につながるヒントが見つかるでしょう。