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2025.6.172025.6.17
非化石証書の購入方法は?仕組みや価格、メリットを徹底解説!

非化石証書の購入方法は?仕組みや価格、メリットを徹底解説!

非化石証書を購入する非化石証書取引は、二酸化炭素などの排出量削減やカーボンニュートラルにつながる、企業にとってメリットのある制度です。この記事ではその必要性や購入方法、メリットについて解説します。

  • 非化石証書とは?仕組みや購入方法について解説 
  • 取引の仕組みとは
  • 非化石証書の種類
  • 非化石証書の購入方法
  • ①再エネ価値取引市場での購入
  • ②高度化法義務達成市場での購入
  • ③市場を介さず相対取引で購入
  • ④代理購入事業者を介した購入
  • 価格はどこで決める?購入費用はどのくらい? 
  • 企業が非化石証書を購入するまでのSTEP
  • 非化石証書を購入する際の注意点
  • 非化石証書の活用方法とメリットとは?
  • 電力コスト削減に活用できる
  • 企業のイメージアップに使える
  • RE100や温対法対策に使える
  • 非化石証書をスムーズに購入・活用するには?
  • まとめ

非化石証書とは?仕組みや購入方法について解説 

非化石証書とは、再生可能エネルギーなどのCO2を排出しない「非化石電源」で発電された電力の「環境価値」を取引するために証書化したものです。非化石電源で発電された電力に対する「環境価値」が見える化されており、この非化石証書を購入することで、企業や自治体などは「実質再エネ100%電力」を導入することができます。

電力供給事業者にとっては、非化石証書の売却益はクリーンエネルギーへの投資や運用に活用できるため、新しい施設を導入する資金を確保できます。また最終的に国民や企業が負担している再エネ賦課金の軽減や支援につながります。

取引の仕組みとは

非化石証書は日本卸電力取引所(JEPX)の非化石価値取引市場で取引されます。以前は小売電気事業者のみが購入できましたが、2021年11月以降は電力需要家(企業)や仲介事業者も直接購入できるようになりました。取引は入札によって行われ、価格は変動します。

非化石証書の種類

非化石証書の種類は全部で3つ。①FIT非化石証書と②非FIT非化石証書(再エネ指定あり)③非FIT非化石証書(再エネ指定なし)になります。

再エネ指定あり

再エネ指定なし

FIT非化石証書

非FIT非化石証書

非FIT非化石証書

対象電源

FIT電源

(太陽光・風力・小水力・バイオマス・地熱)

非FIT再エネ電源

(大型水力・卒FIT

電源等)

非FIT再エネ電源

(原子力など)

非化石証書について詳しく

非化石証書の購入方法

非化石証書の購入については日本卸電力取引所(JEPX)が主催する2つの取引所で行うオークションに参加する方法と、市場を介さない相対取引や代理購入があります。

①再エネ価値取引市場での購入

再エネ価値取引市場とは2021年度に新設された市場で、オークション形式で取引します。それまで非化石価値取引市場では小売電気事業者以外は参加不可でしたが、現在は企業などの需要家が市場から直接、再エネ由来の非化石証書(FIT非化石証書)を購入できるようになりました。

②高度化法義務達成市場での購入

高度化法義務達成市場とは、「エネルギー供給構造高度化法」の目標達成のために創設されました。「エネルギー供給構造高度化法」とは、年間の電力販売量が5億kWh以上の小売電気事業者に対して、非化石電源比率を2030年までに44%以上にすることを義務付ける法律です。企業が直接購入するのではなく、電力会社経由での調達が一般的です。

③市場を介さず相対取引で購入

相対取引とは、小売電気事業者が発電事業者から市場を介さずに直接非化石証書を購入する方法です。この取引のメリットは市場価格に左右されない点で、比較的自由度の高い取引法といえるでしょう。このほか企業が電力会社と契約し、証書付きの電力を購入するケースもあります。

④代理購入事業者を介した購入

企業が電力会社や代理購入事業者を通じて証書付き電力を購入する方法です。手数料はかかりますが、直接購入の場合よりも手続きを簡略化できるなどのメリットもあります。

価格はどこで決める?購入費用はどのくらい? 

非化石証書の価格は、JEPX(日本卸電力取引所)が管理する市場でオークション形式で決定されます。このオークションは年に4回、8月、11月、2月、5月に開催されます。発電事業者が入札を行い1kWh当たりの価格を提案する仕組みで、入札によって決まった価格が非化石証書の市場価格となります。ちなみに2024年度のFIT非化石証書は下記の価格で推移しています。購入費用は何kwh分を購入するかで決まり、購入先によって別途手数料がかかります。

FIT非化石証書

第1回

(2024年8月30日約定)

第2回

(2024年11月29日約定)

第3回

(2025年2月28日約定)

第4回

(2025年5月23日約定)

約定価格

0.40(円/kWh)

約定価格

0.40(円/kWh)

約定価格

0.40(円/kWh)

約定価格

0.67(円/kWh)

約定最高価格

0.61(円/kWh)

約定最高価格

0.60(円/kWh)

約定最高価格

1.00(円/kWh)

約定最高価格

4.00(円/kWh)

約定最低価格

0.40(円/kWh)

約定最低価格

0.40(円/kWh)

約定最低価格

0.40(円/kWh)

約定最低価格

0.40(円/kWh)

参考:FIT非化石価値取引の取引市場データ(JEPX:一般社団法人 日本卸電力取引所)

企業が非化石証書を購入するまでのSTEP

企業が非化石証書を購入するまでのSTEPとして、次の2つの方法があります。

・市場に参加して購入する

企業が非化石価値取引に参加するためには、日本卸電力取引所(JPEX)の会員になる必要があります。非化石証書を購入する費用とは別に、取引所の入会金や年会費がかかります。

・代理購入業者に依頼する

非化石証書代理購入事業者とは、電力需要家(企業)が非化石証書を直接購入することが難しい場合、代わりとなって非化石証書を購入する事業者を指します。企業は代理購入事業者へ依頼することで、非化石価値の取引市場への参加や、証書の購入、管理などの手続きをスムーズに行え、非化石価値を活用することができます。

非化石証書を購入する際の注意点

非化石証書を購入したり活用する場合の注意点はあるのでしょうか。

・市場での直接取引には会員登録と会費が必要

市場で直接購入する場合、日本卸電力取引所(JEPX)の会員になる必要があり、入会金や年会費を納めなければなりません。ちなみにJPEXの年会費は、それまでの12万円から「すべての非化石証書にトラッキング情報を保有する」ことを理由に2024年度から60万円に変更されています。

・入札の時期を確認する

JPEX(日本卸電力取引所)での取引オークションは毎年8月、11月、2月、5月の年4回開催されます。オークション参加者は、開催月の前月末までに非化石証書に関するトラッキング情報(追跡情報)の申請を行う必要があります。

・取引価格の変動がある

取引価格はオークション形式で決まり、価格は市場の需給状況によって変動するので、購入する際はタイミングが重要です。

・エネルギーの種類を確認する

非化石証書には①FIT非化石証書と非FIT非化石証書(②再エネ指定あり・③再エネ指定なし)があるとお伝えしましたが、それぞれに発電源が違います。非FIT非化石証書の再エネ指定なしの証書の中には、原子力発電やゴミ焼却発電に由来するものがあるので、再生可能エネルギーのみを使用した非化石証書を購入したい場合は確認が必要です。

・有効期限がある

非化石証書には有効期限があります。その年の1月から12月の間に発電された電力分の非化石証書は、同じ年度の4月から翌年度の6月までに使用した電力に対して活用できます。

非化石証書の活用方法とメリットとは?

企業が非化石証書を購入することで、以下のような活用法とメリットが生まれます。

電力コスト削減に活用できる

非化石証書を購入することで、自社の電力コスト削減に活用できます。CO2削減目標を達成するには、再生可能エネルギー由来の電力を購入する方法もありますが、事業規模が小さい企業の場合、コスト面からすべてを再生可能エネルギーにするには現実的ではありません。

そこで全社で使用する化石燃料由来エネルギー(石油由来の電力)の何割かを非化石証書に置き換えて活用することで、再エネ由来の電力を利用したとみなすことができます。証書の購入費用はかかりますが、再生可能エネルギー電力を購入するコストに比べ割安な場合もあります。

企業のイメージアップに使える

非化石証書を購入・活用することは企業の環境価値を高め、イメージアップにつながります。近年はCSR(企業の社会的責任)活動やESG経営(※1)を実現するためのツールとしてもメリットになると注目され、顧客や取引先、投資家はもちろんのこと、採用活動にもプラスに働くことがわかっています。

(※1)ESG経営=企業が環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮して経営を行うこと

RE100や温対法対策に使える

非化石証書を環境価値として購入・活用することでCO2排出削減など、企業に求められる社会的責任を果たすことができます。また非化石証書(※2トラッキングつき)などによる証書取引は、RE100など国際イニシアティブに参加する際に必要な条件の1つで、加盟後は進捗状況の報告に活用できます。

そのほか温対法(温暖化対策推進法)に基づき、温室効果ガス排出量を国に報告する際にも、非化石証書で購入した分のCO2排出量を削減して算定することができます。

(※2)トラッキング・・・発電所の設備名や所在地、発電出力など、どのような過程で再エネ電力が作られているかを追跡することができる情報のこと

非化石証書をスムーズに購入・活用するには?

非化石証書の購入や活用については、内容がちょっと複雑でよくわからないという方もいるでしょう。そんな時はその道の専門家へ相談しながら導入を検討するのがスムーズな方法です。

エネブリッジでは、低コストでラクに脱炭素経営が可能になるサービスを取り揃えています。御社で削減できなかったCO2をオフセット(埋め合わせ)するためにぜひご相談ください。証書・クレジットの種類によって、どのCO2削減基準(RE100など)に使えるかなど、専門チームがわかりやすくご説明いたします。

エネブリッジの環境価値について詳しく

まとめ

ここまで非化石証書を購入する際の購入方法や価格、購入したり活用するメリットについて解説しました。聞きなれない言葉や環境用語もありますが、非化石証書を環境価値として購入・活用することが、会社にとってメリットになり、脱炭素経営への一歩になるでしょう。














  • #環境価値
  • #非化石証書
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