
PPAに使える補助金とは?国と地方公共団体の制度情報をまとめて解説!
- PPAに使える補助金とは?
- PPAに使える国の補助金制度
- 環境省・経済産業省|ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
- 環境省・農林水産省・経済産業省|設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業
- 環境省|地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業
- 経済産業省|需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
- PPAに使える地方公共団体の補助金制度
- 東京都|再エネ電源都外調達事業(都外PPA)
- 鳥取県|鳥取スタイルPPAによる太陽光発電設備設置促進事業補助金
- 宮城県|オンサイトPPA方式による県有施設への太陽光発電設備等導入事業費補助金
- 神奈川県|令和7年度神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金
- 横須賀市|【PPA・リース】自家消費型太陽光発電設備・併用蓄電池補助
- 小田原市|【家庭用・事業用】自家消費型太陽光発電設備(PPA・リース等)・家庭用併用蓄電池
- 富山市|PPAによる事業者向け自家消費型太陽光発電設備導入事業補助金
- PPAで補助金のメリットを受けるために需要家が知っておくべきこと
- PPAの補助金に関するよくある質問
- 補助金の活用で、PPA導入をもっと身近に
PPAに使える補助金とは?

そもそもPPA(Power Purchase Agreement)とは、需要家が初期費用やメンテナンスの負担なく再エネ設備を導入できる契約モデルです。
補助金制度によって申請主体は異なりますが、需要家自身が補助金を申請するケースと、PPA事業者が申請し、その補助金額を需要家へ利用料金の減額やキャッシュバックで還元するケースがあります。つまり、初期投資ゼロで再エネを導入できるだけでなく、補助金の恩恵により電気料金の単価低減も期待できるのです。
さらに、環境対策や企業価値向上にも貢献できるため、コスト面・ブランド面の両方で需要家にメリットがあります。
そもそものPPAのメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
太陽光発電のPPAモデルとは?仕組みや種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説!
一般的なPPAモデルは10~20年の長期契約が主流ですが、導入のハードルになることもあります。その点、エネブリッジでは、短期コーポレートPPAを採用しているため、最短1年から契約が可能です。低リスクで、PPA導入を試せます。
PPAに使える国の補助金制度
PPAを導入する際はさまざまな補助金制度を利用できます。ここでは、国が定めている補助金制度について詳しく解説していきます。執筆時点(2025年10月)の情報ですので、必ず詳細は公式ホームページでご確認ください。
環境省・経済産業省|ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
ストレージパリティとは、太陽光発言設備を導入する際に蓄電池を導入した方が経済的に有利となる状態を指します。「民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業」の事業内容の一つで、オンサイトPPAモデル等による自家消費型の太陽光発電設備と蓄電池の導入を支援することが目的です。
対象事業 |
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支給条件 | <太陽光発電設備>
<蓄電池>
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補助額 | <太陽光発電設備>
<蓄電池>
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実施期間 | <令和6年度補正予算> 第一次公募:2025年3月31日〜4月25日正午まで 第二次公募:2025年6月5日〜7月4日正午まで <令和7年度予算> 第一次公募:2025年6月5日~7月4日正午まで 第二次公募:2025年9月4日~10月7日正午まで 実施期限:2026年1月30日 |
出典:一般財団法人 環境イノベーション情報機構(EIC)「公募要領」
環境省・農林水産省・経済産業省|設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業
「民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業」の一環で、略称は「ソーラーカーポート等事業」といわれています。駐車場や建物など設置する場所の特性を活かした太陽光発電設備や蓄電池の導入する事業者に補助金を出し、再生可能エネルギーの普及と地域との共存を進め、脱炭素社会を目指す事業です。
対象事業 | 駐車場をはじめとした設置場所の特性に応じた太陽光発電設備および充電設備を導入する事業 |
支給条件 |
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補助額 | <太陽光発電設備> 8万円/kW×パワーコンディショナの最大定格出力の合計値(kW) <蓄電池>
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実施期間 |
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出典:環境省「民間企業等による再エネ導入及び地域共生加速化事業」
一般社団法人 環境技術普及促進協会「公募要領」
なお、ソーラーカーポートのほか、垂直設置型太陽光発電設備など駐車場を活用した設備も補助対象に含まれます。また、オンサイトPPAモデルやリースにより設備導入を行う場合は、すべての設備を同一事業者が一括導入する必要があります。
環境省|地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業
この事業は、災害時でも電力供給が可能な再生可能エネルギー設備を設置する取り組みです。災害等に対する強靭性の向上といった地域のレジリエンスと、脱炭素化を同時に実現することを目的としています。地方公共団体と共同申請する場合に限り、民間のPPA事業者も補助対象となります。
対象事業 | 広域防災拠点や避難施設など、災害時に重要な公共施設へ温室効果ガス抑制と非常時の機能維持を両立する再生可能エネルギー設備を導入する事業 |
支給条件 |
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補助額 | <補助率> 申請者により1/3、1/2、2/3のいずれか <補助上限> 15万円/t-CO2 ※省エネ設備を同時導入する場合の上限は25万円/t-CO2 |
実施期間 | 令和 7 年 6 月 30 日(月)~令和 7 年 7 月 25 日(金)12 時必着 |
出典:一般財団法人環境イノベーション情報機構「公募要領」
経済産業省|需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
この事業は、需要家主導の太陽光発電導入モデルの推進により、再生可能エネルギーの普及を促進し、さらに蓄電池の導入を進めることで、電力需要に応じたピークシフトを図るためのものです。需要家主導型太陽光発電導入促進事業において、民間業者等が太陽光発電設備を導入するための機器購入等の費用を補助します。
対象事業 |
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支給条件 |
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補助額 | <補助率> 1/3~1/2(年度・設備区分により異なる) <上限額> 年度ごとの予算により変動 |
実施期間 | <単年度事業分> 交付決定日~令和7年3月31日 <国庫債務負担行為による複数年度事業分> 交付決定日~令和9年3月31日(最長) |
出典:経済産業省エネルギー庁「令和6年度予算「需要家主導型太陽光発電・再生可能エネルギー電源併設型蓄電 池導入支援事業費補助金」に係る補助事業者募集要領 」
PPAに使える地方公共団体の補助金制度
PPAに使える補助金制度はご紹介した国の制度だけでなく、地方公共団体が独自に定めているものもあります。ここでは、代表的な補助金制度について紹介しています。執筆時点(2025年10月)の情報ですので、必ず詳細は公式ホームページでご確認ください。
東京都|再エネ電源都外調達事業(都外PPA)
この事業では、都外の再生可能エネルギー発電設備及び、それに併設する蓄電池の設置に関わる経費の一部を助成します。東京都内の需要家に対し、都外から再生可能エネルギーの調達を支援するのが目的です。フィジカルPPAの場合は、設備で発電された電気の4分の3以上を、バーチャルPPAの場合は設備から得られた環境価値の4分の3以上を都内特定施設に供給し、消費することが支給条件として定められています。
対象事業 | 都外に再生可能エネルギー発電設備等を設置し、当該の設備から得られた再生可能エネルギー電気などを利活用する事業 |
支給条件 |
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補助額 | 再生可能エネルギー発電設備:1/3~2/3 蓄電池:2/3 ※設備の種類によって変動 ※同地設置か単独設置かにより助成金額の上限に変動 |
実施期間 | 令和6年度~令和8年度 ※助成金の交付は令和12年度まで ※募集は予算の範囲内で毎年度行う |
出典:公益財団法人 東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター「令和7年度再エネ電源都外調達事業(都外PPA) 」
鳥取県|鳥取スタイルPPAによる太陽光発電設備設置促進事業補助金
この事業は、県内の 発電事業者や住宅、建物の所有者などによるエネルギーの地産地消を目指しており、「鳥取スタイルPPA」に取り組んでいます。地元事業者のプラットフォームをつくることで、地域のエネルギー自給率を向上させることが目的です。
対象事業 | 県の有施設や住宅の所有者、建物を所有する民間事業者が太陽光発電の導入を進める事業 |
支給条件 |
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補助額 | 県有施設:経費の1/2 ※上限125,000円/kW 住宅:70,000円/kW ※上限420,000円/戸 民間事業者:50,000円/kW ※上限5,000,000円/需要家となる民間事業者 |
実施期間 | 2025年度内 |
出典:鳥取県「鳥取スタイルPPAによる太陽光発電設備設置促進事業補助金 」
宮城県|オンサイトPPA方式による県有施設への太陽光発電設備等導入事業費補助金
この事業は、オンサイトPPAによる県が所有・管理している施設への太陽光発電設備等の導入業務を実施する事業者に対し、設備導入に要する経費の一部を補助するものです。2013年度比で、県の事務事業における温室効果ガス排出量51%削減する目標達成に向けた取り組みの一つとなっています。
対象事業 | 宮城県所有施設への太陽光・蓄電池導入 |
支給条件 |
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補助額 | <太陽光発電設備> 補助対象経費の2分の1 ※上限額2億2千万円 (ただし、カーポートの場合は補助対象経費の1/3) <蓄電池> 補助対象経費の2/3 ※上限額2千万円 (ただし、(2)は別紙1のNo9からNo15の7施設のみに活用可能) |
実施期間 | 設置工事完了が令和8年2月27日までの分 |
出典:宮城県「オンサイトPPA方式による県有施設への太陽光発電設備等導入業務 企画提案募集要領 」
神奈川県|令和7年度神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金
この事業は、神奈川県内の特定の施設に電力供給を行うために、自家消費型の再生可能エネルギー発電設備の設置を支援するものです。神奈川県はこの補助金制度のほか、脱炭素全般に関する相談窓口や太陽光発電設備の導入提案、設置業者の検討や見積もり比較などさまざまな角度から太陽光発電設置をサポートしています。興味のある方は、公式ホームページで詳細をご確認ください。
対象事業 | 神奈川県内の特定の施設への電力供給を目的に、再生可能エネルギー発電設備などを導入する事業 |
支給条件 |
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補助額 | 発電設備:8万円/kW ※かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証を受けると+2万円/kW上乗せ 蓄電池:5万円/kWh |
実施期間 | 令和7年4月25日~令和8年2月27日 |
出典:神奈川県「令和7年度神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金 」
横須賀市|【PPA・リース】自家消費型太陽光発電設備・併用蓄電池補助
この事業は、脱炭素 社会の実現を目指し、PPAモデルで自家消費を目的とした太陽光発電設備を導入する市内の事業者を対象に、設備の設置に要した費用の一部を補助するものです。環境省の補助事業である「地域脱炭素 推進交付金」を活用して実施しています。
対象事業 | FITやFIPの認証を受けていない住宅・工場・事務所等の屋根等へ設置する太陽光発電設備の導入 |
支給条件 |
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補助額 | <太陽光発電設備> 7万円/kW <蓄電池> 蓄電池の導入に係る補助対象経費(蓄電システム及び工事費)の3分の1 ※上限金額
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実施期間 | 2025年5月1日〜2026年1月15日 |
出典:横須賀市「【PPA・リース】自家消費型太陽光発電設備・併用蓄電池補助 」
小田原市|【家庭用・事業用】自家消費型太陽光発電設備(PPA・リース等)・家庭用併用蓄電池
小田原市も地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用し、自家消費型の太陽光発電設備の導入をサポートしています。直接的なサポートだけでなく、太陽光発電設備の導入検討者に対してシミュレーションツールを案内しています。「Suncle(サンクル)」という名称のツールでは、20年間の収支の試算が可能です。
対象事業 | PPA・リース型の太陽光発電設備の導入 |
支給条件 | 自家消費型、FIT未認定、設置事業者の明確化 |
補助額 | <太陽光発電設備>
<蓄電池> 蓄電池価格の1/3 ※上限:5.16万円/kWh |
実施期間 | 交付申請をする日の属する年度の1月末まで |
出典:小田原市「【家庭用・事業用】自家消費型太陽光発電設備(PPA・リース等)・家庭用併用蓄電池 」
富山市|PPAによる事業者向け自家消費型太陽光発電設備導入事業補助金
富山市により行われているこの事業は、低炭素 社会の実現を目的に、PPAモデルで自家消費を目的とした太陽光発電設備を導入する事業者を対象に、設備の設置に要した費用の一部を補助するものです。
対象事業 | 富山市内の事業者による自家消費型太陽光発電設備の導入 |
支給条件 |
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補助額 | 5万円/kW ※上限は1,500万円 |
実施期間 | 2025年度(第三次募集終了済) |
出典:富山市「令和7年度PPAによる事業所向け自家消費型太陽光発電設備導入事業補助金」
PPAで補助金のメリットを受けるために需要家が知っておくべきこと
需要家がPPAの補助金の恩恵を得るために大切なポイントは以下のとおりです。
- 早めに情報収集し行動すること
- 信頼できるPPA事業者を選定すること
需要家自身が申請主体となる場合は、申請手続きや要件を事前に確認することが重要です。PPA事業者が申請主体となる場合でも、「いつ申請されるのか」「交付決定前に着工していないか」など、制度の概要を確認しておきましょう。補助金がきちんと活用されれば、その分だけ需要家が支払う電気料金の削減額が大きくなったり、より有利な契約条件を引き出せたりする可能性があるためです。
また、PPA事業者が信頼できるかどうかの確認も非常に重要です。メンテナンスの不十分さや途中での事業撤退なども懸念点のため、信頼性と合わせて契約前にしっかりと確認をしましょう。
PPAの補助金に関するよくある質問
ここでは、PPAの補助金に関するよくある質問を取り上げています。理解したつもりでも、意外な盲点があるかもしれません。こちらでぜひ、確認をしてみてください。
PPAの補助金は国と地方公共団体の制度を併用できる?
原則として、同一設備に対して国の補助金同士の併用は不可です。ただし、国と自治体の補助金は併用可能な場合もあります。制度ごとの要件を確認しましょう。
太陽光発電設備を需要家がメンテナンスすることはできる?
基本的にはPPA事業者が保守管理を担いますが、契約内容によっては需要家が一部対応するケースもあります。トラブル時の対応や費用負担についても、事前に契約書で明確にしておくことが重要です。
PPA契約期間中に会社を移転する場合はどうなる?
移転先での設備継続利用が困難な場合、契約内容に基づき中途解約や再契約が必要になることがあります。事前に移転時の対応条件を確認しておくと安心です。
補助金の活用で、PPA導入をもっと身近に
需要家にとってPPA導入の大きな魅力は、初期費用ゼロで再エネ設備を導入できることです。さらに、補助金制度を活用することで、電気料金の削減やより有利な契約条件といった形で恩恵を受けられます。 国や自治体の補助金制度の対象事業や申請期間を把握し、信頼できるPPA事業者を選ぶことで、環境対策と経済的メリットを両立した再エネ導入が実現できるでしょう。

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