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2025.5.202025.5.23
オンサイトPPAの仕組みとは?オフサイトPPAとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説!

オンサイトPPAの仕組みとは?オフサイトPPAとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説!

この記事では企業などの法人需要家がPPA事業者と契約を結び、太陽光発電設備の設置後にその設備で発電された電気を購入するコーポレートPPAのうち、自社の敷地内で発電するオンサイトPPAについて解説します。メリット・デメリットはもちろん、オフサイトPPAとの違いなども必見です。

  • オンサイトPPAの仕組みとは?
  • オンサイトPPAとオフサイトPPAの違いって?
  • 企業にとってオンサイトPPAにはどんなメリットがある?
  • 1.初期費用やメンテナンス料が不要
  • 2.電気料金の削減効果が高い
  • 3.CO2排出量の削減に貢献できる
  • 4.契約期間満了後は無償でもらえる
  • 5.非常用の電力として活用できる
  • オンサイトPPAのデメリットとは?
  • 1.長期契約のため変更が難しい
  • 2.余剰電力を売却できない
  • 3.設置場所に制約がある
  • オンサイトPPAはどうすれば導入できる?
  • オンサイトPPAが導入できない場合って?
  • 敷地面積の不足
  • 立地条件がよくない
  • 建物の耐荷重が足りない
  • 長期契約が難しい
  • 電力使用量が少ない
  • オンサイトPPA以外のPPAモデルも検討するべき?
  • まとめ

オンサイトPPAの仕組みとは?

オンサイトPPAとは、企業など法人需要家の敷地内に、第三者(PPA事業者)が太陽光発電設備を設置し、そこで発電された電力を電力購入契約(PPA)に基づいて利用する仕組みです。発電設備はPPA事業者側の所有になり、維持管理も事業者側が担当することから「第三者所有型」ともいわれます。

発電設備で発電された電力は、法人需要家に供給されます。需要家は電力使用量に応じた電気料金をPPA事業者へ支払います。

ちなみに「オンサイト」とは、英語の「on-site」が元となるカタカナ英語で、「現場で」「現地で」「その場所で」といった意味があります。PPAの場合は電気を使用する需要家の設備と発電設備が同じ施設内に設置されるなど近いことが最大の特徴です。

オンサイトPPAとオフサイトPPAの違いって?

オンサイトPPAと似た言葉でオフサイトPPAがあります。2つともコーポレートPPAの一種ですが、その違いはまず発電設備の設置場所が敷地内か遠隔地かにあります。

オンサイトPPAは、法人需要家の敷地内に発電設備を設置するのに対し、オフサイトPPAは法人需要家の敷地外(遠隔地)に設置された発電設備で発電された電力を利用します。

2つの違いをさらに詳しく比較すると、オンサイトPPAは自社の敷地内で発電するため、発電設備から直接、電力を供給できます。一方でオフサイトPPAは離れた場所で発電された電気を送電線を経由して供給するため、送電設備の利用料金(託送料金)が発生するなど、オンサイトPPAに比べて電気料金削減効果が低いといわれています。

種類

オンサイトPPA

オフサイトPPA

発電設備の設置場所

自社敷地内

自社敷地外

発電設備の規模

敷地面積による

大規模発電も可能

電力の供給方法

直接供給

電力会社の送電網を利用

再エネ賦課金の負担

なし

あり

託送料金

かからない

かかる

災害時の電源活用

できる

できない

オフサイトPPAについてもっと詳しく!

企業にとってオンサイトPPAにはどんなメリットがある?

オンサイトPPAのメリットとしては以下の5つが挙げられます。

1.初期費用やメンテナンス料が不要

オンサイトPPAでは、PPA事業者側が太陽光発電設備の設置費用を負担するため、企業は初期費用をかけずに再生可能エネルギーを利用できるメリットがあります。メンテナンスに関してもPPA事業者がメンテナンスを行うので企業側は専門的な知識や人員を必要としないため、余計な人件費がかからないこともメリットの1つです。

2.電気料金の削減効果が高い

オンサイトPPAでは長期契約であることに加えて、送電コストがないことから電気料金が安価に設定されています。通常、高圧需要家の電気料金単価はkWhあたり24.5円で、さらにこの他にも再エネ賦課金や燃料費調整額、託送料金などがかかります。オンサイトPPAの場合はkwhあたり15〜18円と低減できるうえ(※1)、発電した電力を自家消費のみで対応する場合には、再エネ賦課金がかかりません。

(※1)出典元:コーポレートPPA日本の最新動向2025年版「オンサイトPPAのコスト」2023年度 全国平均の水準を自然エネルギー財団が推定

再エネ賦課金とは?

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで発電された電気を、電力会社が買い取る際に発生する費用のことで、電気料金を通じて原則すべての利用者が負担する仕組みです。

再生可能エネルギーの導入を促進し、化石燃料への依存を減らす目的で負担が決まりましたが、年々その料金単価は上がってきていて、2025年度の再エネ賦課金単価は1kWhあたり3.98円となり、近年で最も高値となりました。2025年5月分から2026年4月分の電気料金に適用されます。

(※2)出典元:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します

燃料費調整額についてはこちら 

3.CO2排出量の削減に貢献できる

オンサイトPPAを導入することで、自社で使用する電力を再生可能エネルギーで賄うことができ、従来の火力発電による電力利用と比較して、CO2排出量の削減が期待できます。環境問題への取り組みをアピールできるため、企業イメージの向上につながります。

4.契約期間満了後は無償でもらえる

オンサイトPPAでは契約満了後の太陽光発電設備は、法人需要家へ無償で譲渡されるのが一般的です。10〜20年という長期契約の結果、PPA事業者はすでに初期投資の回収が完了しているためです。譲渡後は企業側が設備の維持管理や運営、保守を自社で継続して行うか、これまでのPPA事業者と再契約したり、新たな事業者と契約を結ぶことも可能になります。

5.非常用の電力として活用できる

太陽光発電設備は停電時の非常用電源として活用できます。ただし発電できるのは太陽光が降り注ぐ日中だけ。電気は基本的に貯めることができない性質なので、停電時も事業所を最低限稼働させたい場合は蓄電池の活用を考えるなど、契約する際に事業者側と話し合い、最善策を準備しておきましょう。

オンサイトPPAのデメリットとは?

オンサイトPPAのデメリットとしては以下の3つが挙げられます。

1.長期契約のため変更が難しい

オンサイトPPAは通常で15〜20年と、契約期間が長期に渡るため、契約期間中に事業計画を変更する必要性が出てきたときなど、設備交換や設置場所の変更が企業側の都合ではできなかったり、契約内容を変更するときに違約金がかかる場合があります。

2.余剰電力を売却できない

オンサイトPPAで発電した電力は、その施設での自家消費が基本で、その分の電気料金をPPA事業者へ支払っています。電力が余った場合はPPA事業者が売電を行うため、需要家側の利益とすることはできません。

3.設置場所に制約がある

オンサイトPPAでは、該当する施設内に太陽光発電設備を設置するのに十分なスペースがなかったり、太陽光発電パネル(モジュール)を載せるために必要な耐荷重を満たしていなかったり、屋根の形や向き、日照条件などが整っていない場合は契約ができないことがあります。

万が一、オンサイトPPAで自社の施設に太陽光発電システムの導入が難しいと判断された場合は、オフサイトPPAを導入する方法もあります。

オンサイトPPAはどうすれば導入できる?

オンサイトPPAを導入するには、まずPPA事業者に問い合わせて、自社の施設が導入可能か確認します。次に現地調査を行い、太陽光発電設備を敷地内に設置できるかどうかを検討します。それらがクリアになったら、見積を経て電力購入契約(PPA契約)を締結し、PPA事業者が太陽光発電設備の施工を行います。実際に太陽光発電システムで発電を開始するまで、数ヶ月間かかることがあるので、信頼のできるPPA事業者へ問い合わせ、会社の事業計画に合わせて綿密な計画を立てるなど、早めに動くことをおすすめします。

オンサイトPPAが導入できない場合って?

実は以下の理由でオンサイトPPAの導入が難しい場合があります。

敷地面積の不足

オンサイトPPAで太陽光発電設備を導入する場合、敷地面積がより大きいほうがたくさんの設備を設置でき、発電量を増やすことができます。一般的に1kWhの発電設備に必要な面積は約8平米といわれますが、必要な電力量によってはたくさんの太陽光発電パネルを設置する必要があるため、敷地面積が足りない場合はPPA事業者からオンサイトPPAの導入を断られる場合もあります。

立地条件がよくない

敷地面積は十分にあっても、建物の向きや方角、何かの陰になっているなど日照条件が不十分だったり、強風や積雪など気象条件によっては発電に適さない敷地とみなされ、オンサイトPPAの導入が難しい場合もあります。

建物の耐荷重が足りない

工場など建物の屋根を利用して発電を行いたい場合、屋根の形や耐荷重によっては、太陽光発電設備を載せられないなど、制約が出てくる場合があります。

長期契約が難しい

敷地面積、立地条件、屋根の耐荷重などすべての条件を満たしていても、やはり15〜20年という長期契約の締結に難しさを感じて、二の足を踏む企業もあります。デメリットの項でも紹介しましたが、よほど長期に渡ってその事業や施設を運用する計画がないと、ここまでの長期契約に不安を感じるのは当然かもしれません。

電力使用量が少ない

多くのコーポレートPPAでは、1拠点あたりの最低契約容量が1〜5MW(メガワット)に設定されています。1MWは1000kW(キロワット)で、1MW以上は「メガソーラー発電」と定義され、かなり大規模な発電設備と位置づけられます。1つの事業拠点で使用したい電力が1kW未満の小規模な運用の場合、オンサイトPPAの導入は難しいかもしれません。

オンサイトPPA以外のPPAモデルも検討するべき?

上記のような理由でオンサイトPPAの導入が難しいとされた場合でも、オフサイトPPAなど、他のPPAモデルを導入することで今より電気料金が削減できたり、脱炭素経営に向けて再生可能エネルギーを自社の経営や生産活動に利用できる可能性があります。

さらに長期契約をデメリットに感じて契約に踏み込めないという場合には「短期コーポレートPPA」もおすすめです。契約期間が1年単位と、一般的なオンサイトPPAと比べて短く、さらには複数拠点をまとめて1MW以上からの契約も可能です。

エネブリッジのコーポレートPPA

まとめ

コーポレートPPAの中でも、自社の敷地内で発電した再生可能エネルギーを利用できるオンサイトPPAについて、そのメリットやデメリット、オフサイトPPAとの違いについて紹介しました。電気は企業の生産活動に欠かせないエネルギーです。オンサイトPPAで太陽光発電システムによる再生可能エネルギーを利用することで、企業の脱炭素経営が一歩前進できるとともに、電気料金を今より削減するためにぜひ導入を検討してみてください。

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